4歳になるうちの息子は、人に手を振るのが好きだ。
通りに止まっている車の運転手さんや商店街の串揚げやさんのお兄さん、少し気難しそうな蕎麦屋さん、サンドイッチ屋のおばさん。
みんな、息子が手を振ると手を振ってくれる。
これはこれで、才能だ。
しかし、今日の朝は違った。
店の支度をするために、シャッターを上げたケーキ屋の中年おじさん。
息子が一生懸命に手を振っていると、私に、
「なんですか?」
と言ってきた。
なんですか?って、子供が手を振っているだけじゃないか!
そんなに怒り気味で、なんですか?とは、何事だ!
普通に手を振り返せばいいだけの話なのに。
こちらこそ、なんですかちみは?
だ。
夢を売るはずのケーキ屋さんがそんな対応なんだ。
まぁ、子供が嫌いなのだろう。
そういう人はいる。
しかし、私はそのケーキ屋では、ケーキを買わないと強く心に誓った。
その姿勢では、ケーキも美味しくないはずだ。