あぶないおじさん

あぶない!

あぶない!

あぶない!

 

私、小さい頃、母に事あるごとにこの台詞を、呪文のように唱えられてました。

 

家の中で、ガラスの 容器を使おうとすると、

あぶない!

 

窓を開け放ち、ビルの8階から、外を眺めていると、

あぶない!

 

外に出て、歩道の白線の内側を歩いているのにも関わらず、車が横切ると、

あぶない!

 

自転車が目の前を通過すれば、

あぶない!

 

 

子供が心配なのはわかりますがねー

あなた!

そんなにあぶないあぶない、言うと、

あぶない教の信者になってしまうではないですか!

 

 

小学校の遠足で、高尾山に行く事がありました。

母に、「高尾山では、山登りがあるらしいよ」というと、

「あぶないじゃない!手を滑らせて、崖から落ちたら大変じゃない。。」

 

‥‥いや、ロッククライミングじゃないから。

 

 

小学校でサッカー同好会に入った時には、

「あんたー!そんな小さな時からサッカーやったら、膝が悪くなって、背が伸びなくなるって、お父さんが言ってるよ!」

と辞めさせられました。

‥‥今、170センチはあります。
小柄ですけどね!

 

 

中学生の時、冬のスキー教室というのがあり、

母に、「スキー教室行きたい!」というと、

「ちょっと、あんた!リフトから落ちたら大変じゃない?全身打って、歩けなくなったらどうするの?」

「スキーを滑ってるときに、誰かと激突して大けがしたらどうするの?」

マイナス思考が加速します。

 

 

社会人になってから、初めてスキーに行き、

フォークリフトからも落ちずに、無事、滑れるようになったけどね!

 

 

こんな風にうちの母は、妙な心配性で、人が何かする前からあぶないが口をついて、人の行動を制限しようとします。

いや、わかるんですよ。

子供を大事に思う気持ち。

でも、どうでしょう?

何でもかんでもあぶない、あぶないと言っていては、何があぶないかも自分で判断できなくなってしまいます。

 

そんな、私も、親になってしまいまして。。

 

 9ヶ月の息子がつかまり立ちをしようものなら、

あぶないよ!

携帯を掴もうとすれば、

あぶないよ!

離乳食をあげているときに、

大人の茶碗を触ろうとすれば、

あぶないよ!

 

と、すっかり、母親と同じことを言っている始末です。

 

その癖、床に落ちていて、口にしたら、大変なものやら、

ほんとにあぶなそうな事に気がついていなかったり、

 

困った、弱った、どうしよう、な、

あぶないおじさんになってしまいました。

 

これから、子供には、やたらと危険を煽るのではなく、

本当に危険な事だけを教えていこうと思います。

 

でも、自分の子供だから、

心配で、つい、口を付いて、出てしまうんですよね。

「あぶない!」

 

って。