先日、9月末で会社の解雇にあってしまった私に、会社から離職票が送られてきた。
求人検索コーナーには人がほとんどいなかったが、失業給付金登録のコーナーには、人が溢れていた。
ざっと、50人ほどいただろうか?
年齢層は30代から50代くらいの男女。
これは、みんな、私と同じコロナ解雇にあってしまった人だろうか?
と、愕然とする。
みんなマスクをして、狭い空間の中、椅子に座ってじっと自分の番を待っている。
椅子に座れずに立っている人までいる。
そんな光景は今まで初めてだ。
何とも言えない光景である。
そして、当たり前だが、みんなうなだれて下を向いているように見える。
私も同じ。。
あまりにも待ちすぎてやることもないので、入り口に貼られている注意書きを見る。
ハローワーク職員であることを装って、求職者の自宅を訪問して、執拗に職業相談を迫る不審者がいるので、ご注意ください。
ハローワークでは、直接求職者の自宅を訪問して職業相談をしていません。
どんな不審者だ。。
そんなことをされたら困る。
お金がないのに、更にお金を取られたら、絶望的じゃないか。
しかし、何でも、人の弱みにつけ込んで、金を取ろうとするような輩が存在するんだな。
ひどい、ひどすぎる。
いつの間にか、日本は弱肉強食みたいになっている。
なんなんだ?
しかし、長い。長すぎる。
あまり長い間待っていると、近所の知っている人に会うんじゃないかとビクビクしてくる。
あれ?あの人、どこかでみた人じゃないのか?
そんなことはないけれど、そう思えてしまう。
自分は恥ずかしいことをしているのか?
恥ずかしいことをしているわけではないのに、恥ずかしいことをしているように感じてしまう。
あぁ。。
もうすでに、1時間は待っている。
密になってしまうじゃないか!
まるで順番が回ってこない。
ディズニーランドの乗り物待ちなら待てるが、ハローワークの給付金の登録の順番待ちは、楽しく待てない。
そういえば、ディズニーランドで継続して働きたいなら、半年の給料をトータルで約22万円にするというニュースがあったな。
そんな状態でキャストさんは楽しく演じられるのか?
お客さんに対して、卑屈な顔になってしまうではないか。
世知辛い世の中だ。
なんとも言えない感情が湧いてくる。
しかし、まだ、順番が回ってこない。
清掃のおじさんの乾いた足音が虚しく響く。
もう、早く家に帰って、求人検索をした方が精神衛生上よいように思えてくる。
こちらは、時間がないんだ。
立ったり座ったりして、腕を組んでも、足を組んでも、順番は回って来ない。
佐川急便の配達の人が足早に去っていく。。
まだ?
そんなことを聞くに聞けない。
ここで横柄な態度を取っていたら、人としてダメな気がする。
やっと、順番が回ってきた。
自分の名前を大きな声で呼ばれるだけで、恥ずかしい。
失業給付金受給までの説明を受ける。
会社に雇われたいのか?それともフリーでやると決めるのか?
どちらも決まっていないので、両方の線で行く旨を伝える。
フリーとしてやると決めたのなら、受給資格はない。
あたりまえだ。
失業保険の給付は、会社に雇われていたけれど、失業してしまった人に払われるのだ。
はじめからフリーと決めた人には、払われない。
しかし、フリーの人にも手厚い保護があれば、フリーで働ける人が増えていくはずなのに。
嫌々会社で働きながら、鬱病で苦しんだりしないはずなのに。
説明を受けながら、そんなことを考えてしまった。
説明は続く。
寺島さんは、会社の都合で退職勧告されてしまったので、すぐに失業保険を受給する対象となりますよ。
手厚い保証のランクとなります。
嬉しいのか、嬉しくないのか複雑な気分だが、とりあえずは、1週間ほどの待機期間を経て、失業給付金は支払われるらしい。
ただし、決められた1ヶ月後の認定日までになんらかの形で転職活動をして、報告書類に書かなければいけないという条件付き。
それは、大丈夫だ。
とにかく、こちらは必死で職を探しているのだから。
一通りの説明が終わり、失業給付の手続き終了。
気づけば、9時半ごろ行ったのに、12時になっていた。
それだけでも疲れが出た1日だった。
次の認定日は11月の頭。
早く、次の仕事を決めなければ。