大船駅のおばぁちゃん大丈夫?

今日は、妻と子供と近所の駅で過ごし、気づいたら目的もなく大船行きのバスに乗っていた。

大船駅に着いたのは夕方四時頃。

日が落ちるのも早くなり、外は暗い。

夕飯のおかずの足しになるものを探そうかと駅前をうろうろしようとした時の事だ。


すれ違いざま、歩行用荷押車を引きずって歩いていたおばぁちゃんが、道路の排水口に足を引っ掛け転んでしまった。

手をついていなかったため頭から落ちておでこを打ってしまったよう。その場で倒れこむおばぁちゃん。

通りすがりの私たち家族三人と近所への買い物で通りすがりのご夫婦。赤ちゃん連れのご婦人。サラリーマンが皆、足を止めておばぁちゃんに声をかける。

大丈夫ですか???

おばぁちゃんは起き上がろうとするが立ち上がれないため、私と通りすがりのご夫婦の奥さんで起き上がろうとするおばぁちゃんを抱きかかえ、支える。だいぶ痛そうだ。

通りすがりのサラリーマンが、

「救急車呼びましょうか?」

と言ってくれ、段取りよくおばぁちゃんの転んだ状況、どこを打ったか?現場はどこか?を詳しく伝えて、「私は用があるので失礼します!」と風のように去っていった。

残った私たちは、おばぁちゃんを救急隊に引き渡すまで、しばらく待っていた。

おばぁちゃんのおでこには、ピンポン玉大のたんこぶが出来ていて、かなり膨れていた。少し血がついていて、痛そうだ。

腰も痛いと言っていた。

私と一緒におばぁちゃんを支える奥さんが、おばぁちゃんの手を握り、しきりに謝るおばぁちゃんを安心させていた。

「すいませんねー。皆さんの貴重な時間を奪ってしまって。見ず知らずの人にこんなによくしてもらえるなんて、助かりました。」

「いいんですよー。お互い様じゃないですか!」

なんてやり取りをしながら。


私もおばぁちゃんを支えながら、近所に住んでいるのか?家に連絡を取れる人はいないのか?などと質問する。

たまたま携帯を充電したまま、家を出てきてしまったので、連絡先がわからないという。

手を握っていた奥さんが携帯電話を取り出しておばぁちゃんの自宅に電話をしてもらう。

誰も出ないという。

心細いだろうな。。。


救急車もなかなか来ない。

しばらく待っていると、通りすがりの青年が「おばぁちゃん!」と言って寄ってくる。

おばぁちゃんのお孫さんだということだ。よかった。よかった。

痛いだろうが、精神的には少し安心できたのではないだろうか?

お孫さんもいい青年で私たちに「みなさん、ありがとうございます!」と深々と頭を下げていた。


しばらくして救急車が到着して、おばぁちゃんを救急隊員に預けてそれぞれが何事もなかったように帰っていく。

通りすがりの見ず知らずの人が、当たり前のように困っている人を助ける。私も少しは役に立ってよかった。

2歳の息子も帰りの電車で、「おばちゃん、頭ゴチンした。だいじょうぶかなー?」と、何度も言っていたが、本当にだいじょうぶだったろうか?