初詣とお月様

年末から、2日にかけて、妻、1歳の息子、私の3人で、妻の実家へ帰った。

先に兄夫婦の奥さんと3歳になる甥っ子と7ヶ月の姪っ子も妻の実家に来ていた。7ヶ月の姪っ子は、比較的おとなしい方だが、3歳になる甥っ子は、わんぱく盛りとイヤイヤ期で中々、きかない。公園に行くと決めたら、雨が降ろうが槍が降ろうが、「公園に行く、公園に行く、公園に行く、公園に行く、公園に行く!」

みかんをもう一個食べたいと思ったら、「みかんもう一個食べる、みかんもう一個食べる、みかんもう一個食べる、みかんもう一個食べる、みかんもう一個食べる!」と面倒くさい!

妻のおかぁさんは、一昨年、独り身になり、寂しい所だが、そんなわんぱくがいるので、かえって賑やかで嬉しそうだった。

元日。皆でおせちをつつき、団欒したあと、混雑を避け、皆で初詣に行った。昼の3時なら、混んでいないだろうと出かけて行ったが、皆、同じ事を考えているのか、混んで行列が出来ていた。

並んでいる最中に、妻のおかぁさんが、3歳の甥っ子に、何をお祈りするの?と聞くと、「僕はねー。いーっぱいご飯食べられますように、お願いするの」と、現実的な、答え。

1時間ほど、並んだだろうか?

順番が回ってきて、みんなでお祈りする。私もお祈りする。

家族が安心して暮らせますように。


妻の実家への帰り道。

陽は落ちて、すっかり夜が顔を覗かせている。上り坂、下り坂、でこぼこ道、みんなでゆっくりと歩く。歩いていると辺りは暗くなり、街灯が優しい時間帯になってきた。

妻のおかぁさんが、空を見上げて言う。「見て、まんっまるのお月様」

3歳の甥っ子に、教えてあげると、何度も何度も振り返り、その月を見て、「おっきな月だねー。」と、びっくりしていた。

我々大人も、いつもより大きくてまんまるの月を見上げ、感激していた。いつのまにか、その場所が思い出になっていた。

その月が、スーパームーンだと、知ったのは、2日後のことだ。